20××年―――深夜、とある病院の研究施設にて。
倉田直人(27)は、世界で初めてのHIVの特効薬を誕生させた。
だが彼は大勢の人に求められているその薬のデータごと、人に知れないうちにまるごと焼却してしまう。
なぜ彼は、多くの人が求めている薬を自らの手で破壊してしまったのか?
この物語は、一人の偉人がその偉業成し遂げる工程でいかに苦しみ、悩み、生きてきたかを如実に記した話である。